2018年 07月 31日
驢ノ651ー700 |
2017年
7月
アスファルト金蛇走る梅雨晴間
首塚に蟻登頂す梅雨晴間
ジャムの蓋ぱかりと開いて夏の朝
8月
気を揺らす読経轟々蝉時雨
胡瓜には胡瓜の香り粥の朝
首筋の汗に目線でくちづける
生きること生臭いなと盆の膳
唐黍の焦げたる褒めて客帰る
早や暮れて苧殻の灰の白さかな
遠花火今年今宵の刹那かな
9月
誰を待つ二百十日の百日紅
菊酒で鎮めるほどの頭痛かな
素裸の花魁見たり曼珠沙華
秋の蝶たどり着きたる花の寺
10月
化かされてひとり道行き萩の道
曇天や海へと続く萩の道
11月
アサハカとフガイナシとで秋の酒
似ていると言われてうれしワレモコウ
欲望がマントなど着て落葉踏む
黄昏の後姿やラ・フランス
洋梨や滴るほどに熟れて座す
12月
明日より昨日を思う小春かな
神の子の生まれし夜と同じ星
夜深し林檎の吐息の重さかな
満ちている氷の下の湖を思ふ
2018年
1月
初暦鬼も蛇も棲む厚さかな
雨宿り鬢のほつれに炭薫る
凍月に片目を閉じる灯かな
2月
片恋や日陰の雪の解け残る
3月
梅が香と赤穂名物しほまんじゅう
名を知らぬ鳥の来て鳴く春近し
矢印が飛ばされてゆく春一番
春暁や丸も四角も美しき
うらうらと古木の花の柔らかき
今まさに空を射んとぞ新芽発つ
4月
散ることは忘れることと桜舞う
八朔柑ころがりゆくは消失点
うかれ女のよろけ縞かな春柳
5月
早蕨はふわり嘘つく君の耳
老鶯や金比羅石段雨上がり
早苗田をゆけば麦刈り讃岐富士
奈落にも皐月風吹く金丸座
6月
水たまり白波立てて青嵐
紫陽花や雨も涙も水の玉
事有りて事無きことの有難さ
さくらんぼ先ずは眺める作法かな
7月
飛ぶ空は青いほどよし燕の子
暮れぬ空睫毛を伏せて忍冬
凌霄花落ちて見上げる曇り空
黒いものひろがらぬやう青いうた
青息吐息で、たどり着いた700句。
並べりゃあいいってもんじゃナイだろう、え?
と、自問自答であるが、
このところの酷い暑さで羞恥心とかも、煮詰まって蒸発してしまい、
自制も自省も、謙虚も謙譲も、カラカラに干乾びて飛んでいってしまった。
ということにして、並べる。
秋風が吹き、朝夕涼しくなったころ、
今日のブログを見直して、穴に入りたい、消えてしまいたい、と
思っても、後の祭りである。
バカヤロウ!ザマアミロ!
この、スットコドッコイ!
とはいいながら、エアコンの涼しい風に吹かれながら
色々気付いた反省点もあり、一部を直した句もいくつかある。
俳句もブログも、ある種の自己確認、日記のようなものなのだけれど
日記は、反省したり書き直したりするものではないので、
そのあたりが、少しだけ「表現」に近いのではないか、と考えている。
そして、
書くことを手放したら、若干でも精神のバランスを崩しそうな気もするので
また、しばらくポツリポツリの間隔でも、書いていきたいと思う。
と、こんなことも考える7月最後の日である。
1枚目の写真は、竹彦の新しい部屋からの眺め。
隣に古い教会を利用した博物館(San Telmo Museoa)があり、
その向こうに海が見える。
博物館の前の広場は、昼は子どもたち、夜は若者たちの遊び場になる。
2枚目の写真は、以前からの友人のオリーブ屋さん。
オイル漬けや塩漬けのオリーブを製造販売している。
ほかに、ピクルスも自家製で、沢山の樽や瓶が並んでいるのだという。
それを、色々味見しながら、地元のワインを飲んだとのこと。
そして、来週から本格的に仕事が始まる、と
この写真を添えて連絡が来た。
さて、私も、701番目の駄句を捻ろうか。
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by unburro
| 2018-07-31 15:40
| 駄句反省会
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