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カヤツリ草、そして、イカロス






 雲は行くカヤツリ草は風を見る         驢ノ796





 駄句である。





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「行雲流水」

とか、頭に浮かぶ。


旅、って
「行け」とか、「行くな」とか
言われるものじゃない。



まあ、それが分かるようなら、キャンペーンなんて始めないんだろうけど。






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あんなに美しい若者が、急に逝ってしまったことに
自分でも思った以上にショックを受けている。


彼の明日を見たかった。

彼を愛する人々だけでなく。
彼自身も、自分の明日を見たかったはずだ。


美しいものは、脆くて儚いものだけれど、
美しいまま消えるのは不条理だ。

不条理を作るのは、昔っから神様だ。

ギリシャ神話の昔から、神様は美しい若者に嫉妬する。
自分より優れた、美しい人間を見つけると、それが許せないんだ。

だから、突き落としたり、攫ったり、木や花に変えたりする。

イカロスも、ナルキッソスも、オルフェウスも、
ダフネや、プシュケも、
美しく才能ある若者たちは、美しさ故に、純粋さ故に、
皆、理不尽に操られて、非道い目に遭う。


罪も無く。


全く、神様、酷いよ。





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イカロスやナルキッソスの物語は、傲慢さゆえに命を落とした。
という、教訓的な解釈が一般的だけれど、
私は、あまりにも美しい、とか、優れている人間の存在に嫉妬する
我儘な神様たちの物語、という説のほうに納得する。



というのは、蛇足、である。















Commented by saheizi-inokori at 2020-07-21 13:31
藤村操の名前を思い出しました。
Commented by unburro at 2020-07-21 14:10
> saheiziさま

藤村操…
恥ずかしながら、直ぐ分からなくて…調べました
「華厳の滝」ですね!
夏目漱石の生徒だったんですね…

若い人が、命を断つことは、ある意味「呼ばれる」(召される)ような部分が
あるのかな…と、感じることがあります。
または、
目も眩む雲上の尾根道を全速力で駆け抜けていて、足を踏み外すような、
命綱の無い綱渡りの落下のような、そんな「事故」ではないか、と。

そう思いたい、のかもしれませんが。
Commented at 2020-07-21 15:56
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by unburro at 2020-07-21 17:32
> 鍵コメさま

逃げてもいい。
乗り越えなくてもいい。
生きていてくれたら、と思うのは、残された者の後悔…
でしょうか…

充分、生きた。
と、思ってあげるのも供養かもしれません。

しかし、このバカ野郎、と怒ることも、
供養かもしれません。

私も、夫や子ども達も、それぞれ、近しい友人や知人を
失ったことがあります。
要因は、それぞれに様々で、よくわからないことも多いです。
一線を越える、といいますが、その境界が、突然、低くなる時、が
あるのではないかと想像します。そして、その時、背中を押す「何か」
があり、それが、「魔が差す」ということ、かな…と。
それは、ある意味、不可避な「神の領分」なのではないか…と、
ここ数年は考えています。
Commented by fusk-en25 at 2020-07-21 20:46
結局。。ブスが残るのか。。
なんて変なことを思ってしまいました。うふふ。

子供の頃。気持ちの端っこに。。
階段の上から下を見て。落ちたら楽になるかな?
と思ったこともしばしばでした。
Commented by unburro at 2020-07-22 00:38
> fusk-enさま

いやいや…
何事も、出来すぎる、美し過ぎる、過ぎるというのは
魔に魅入られる、というようなことがあるかな…
と、いうことで…(笑)

「落ちたら楽になるかな?」
と思う、お子さんだったんですか…

私は小学校の頃、夜、寝る前など
「このまま、明日、目が覚めなかったら、いいのになぁ」
とか、思うことがありました。
今も、私は、けっこう高い所が好きなんですが、
何となく、落ちてもいいかな?って、思っています。

落ちかけたら、きっと、絶対、
「助けて!」って、叫ぶと思いますが…
Commented by PochiPochi-2-s at 2020-07-22 11:14
最初、カヤツリグサの言葉に、以前描いたことがあったなぁと思いながら読み始め、あれっと。

爽やかな感じのいい青年だったのにと…。
悩み事が多かったのかな。
一昨日ブログに書いた娘の下で働く女性も突然の死の選択
だったそうです。
この俳優の自死のニュースの直後で、娘が言うにはひょっと
したら引き金になったかも知れへんと。
今日のニュースサイトに心療内科医の梅原順子さんが書いて
いました。例え全く知らない人の自死であっても心に同じよう
な思いを持っている人は同一化してしまうらしいですね。
ただ、彼の場合も娘の直属の部下もまだまだ若い(30代)。
生きてほしかったと思います。

以前にも自分のブログに書いたように、学生時代、目の前で
倒れ死んでしまった友人のことを考えると、私はどんな事が
あっても決して自分から死のうとは思わないですが。
生きていてこその人生だと思いますが…
Commented by unburro at 2020-07-22 22:40
> PochiPochiさま

風に揺れるカヤツリ草、空を行く雲に、
無常を思っている驢馬であります。

最近の新型コロナ禍の中、経済的にも心身的にも
生きるエネルギーが落ちている人たちが多い中で
彼のことが、自死への引き金になるかもしれないと思います。
沢山の人々のために、何より彼自身のために
何としても、生きていて欲しかった、と心から思います。

私は、学生時代、夜、バイト帰りにビルの下の歩道を歩いていた時
2、3メートル先に、人が落ちてきたことがありました。
もちろんショックでしたが、全く知らない人のことなので、
意外と深い傷には、なりませんでした。
(私が、鈍感なのかもしれませんが…)

その後、両親や義父母を看取った時、出来る限りの介護や看病をした
と、思っていたのに、自分の腕の中で、命が消えるのを見ると、
後悔や、自責の気持におそわれました。
この頃、死ぬということに、病や事故による死と、自ら死を選ぶことに
どれほどの違いがあるのか、少し分からなくなっています。

今回のウイルスに、沢山の人々が命の危険を感じて、
強い危機感を持っていらっしゃることに、100%の共感を持てないのは
こんな私の鈍感さや迷い、が原因なのかもしれないと思います。
Commented at 2020-07-23 00:16
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by unburro at 2020-07-23 03:10
>鍵コメさま

「弱くて傷つきやすいクセに、エラそうに振る舞う」
心理屋である長男は、私のことをこう評価しているようです。
当たっていると思います。

あんなに才能があり努力を惜しまない、
将来が凄く楽しみな、素敵に美しい青年が、
突然、逝ってしまって、こんなにも悲しくて苦しいとは、
自分でも予想外で、愕然としてしまいました。
(弱くて、傷つきやすい…)

その時、同じように、深く落ち込んでいる娘に、

「きっと、誰も悪くない。魔が差しただけだよ。事故みたいな
ものだと思う」って、言ったんです。
(エラそうに振る舞う…)

その時、自分の口から出た「魔」という言葉を、裏付けしたくて
文章にしてみた、というのが、今回のブログです。
(またまた、エラそうに…)

読み返しても、本当の本当、の気持が、このまま、なのかどうか、
自分でもよくわかりません。

でも、誰も悪くない。
というのは、そう思っています。

そう思いたい、のかもしれません。

自分の心さえ、どれがほんとうの気持なのか、わからないです。

まして、他人の心など、わからない。
でも、少しは、わかり合いたい。
少し、でなくても、なんとなく、でもいい。

そして、わからない、のもいい、と思います。
わからないほうが、いい、こともあります…
Commented by hanamomo60 at 2020-07-23 21:22
儚く散ってしまった美しい彼は秋田の酒蔵にも来ていました。
お酒は好きだったのかな~。

忙し過ぎたのかもしれないというのは私が思ったこと。
人は忙しすぎると、まじめな人ほど思いつめますからね。
子役の時から走りすぎたのかもしれませんね。

私たちから見てうらやましいほどの彼の人生は、彼自身はどうだったかはわからないことですからね。
とても残念でなりません。

彼の出ている番組がまだ見ないままでHDDに残っています。
しばらくは見ることはないだろうと思います。

朝顔が光を通して美しいですね。
私の朝顔は本葉が出たばかり、咲くのは俳句の季語通り、秋になるでしょう。

Commented by BBpinevalley at 2020-07-23 22:05
若いと言っても30歳ですよね。
魔が刺して死ぬ年齢でもないかも。
ほとんどの自殺がそうであるように、おそらく彼も鬱病や双極性障害を患っていたのでしょう。
美しさとは無関係だと思います。
診療は受けていたのかしら…
有名人が自分の命を断つと、必ずと言って良いほど後追いやコピーが増えてしまいます。
今後、こういう事は個人のプライバシーを守るという意味でも、公表を控えた方が良いのでは?と思います。
テロの場合も同じで、詳しく報道すると、英雄視して真似る者が出る。
メディアの自粛、期待したい。
Commented by unburro at 2020-07-23 23:44
> hanamomoさま

お酒は…好きだった、と思います。
世界の美味しいものや、美しいものを紹介する番組で
(この番組の中の彼は、とても表情豊かで、楽しそうでした)
そんなことを、言っていたような気がします。

どうして逝ってしまったのか。
親しい人なら、わかるのかもしれませんが、
あまり、詮索したくないような気持で、でも、落ち着かなくて、
胸の内の悲しみを、とりあえず「理不尽な神様」という小箱に封じて、
片付けた。という、次第です。

今回、この話題を取り上げたことを、実は後悔しています。
彼のことだけでなく、それぞれに、関連した悲しみや不安を
抱いていらっしゃる方々の気持を、逆撫でしてしまったようです。

悲しみとの折り合いの付け方は、百人百様、千人なら千通りの方法が
あって、それは、あまり表に出さない方が良いのかもしれない。
と、改めて思いました。
Commented by unburro at 2020-07-24 07:25
> BBpinevalleyさま

なるほど、
とても合理的で、現代的な解釈ですね。
私の土着的な感傷とは、対局で、目が覚める思いです。

昨年のニュージーランドのテロの時、
アーダーン首相の、テロリストの名前を呼ばない、という会見を見て
その強さに感動しました。
今、あの時を思い出しています。

とても強くて、明晰です。

ほんとうに、千差万別の考えがあることを、教えて頂き、
ありがとうございました。
遙か南半球から、コメントをいただき、改めて、世界の広さを、
そして、多様性を感じました。
Commented at 2020-07-24 10:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by unburro at 2020-07-24 15:53
> 鍵コメさま

ご心配をおかけしました。
ありがとうございます!

この拙ブログ『驢馬の耳』は、自慢じゃないですが、
実は、本文よりコメント欄が面白い、というのが自慢です(笑)
過去ブログを読み返しても、ホントにそう思います。
読者、というか、フォローしてコメントしてくださる方の
知性のレベルが半端なく高い…のだと思います。
エライコッチャ〜、と、頭を抱える時もあります。

しかし、それを意識し過ぎると、何も書けなくなるので、
あまり反響を意識しないように、ウケを狙わないように…
さりげなく…などと、思っているのですが、
今回は、どう読まれるか、を考え無さ過ぎた、と分析しています。

ナイーブな、センシティブな…内容を扱うことに対する心構えが、
出来ていませんでした。
だから、全面的に、受け手としての私の失敗です。
同じことを書いても、もっと心構えが出来ていれば、慌てなくても良かったのに、
実は、相当、慌ててしまったんです。

ある種の仮想空間ではありますが、コメントを頂いた方々は生身の人であり、
ご自身のブログや、その背景にあるリアルの生活の全てを基にして、
ご意見や、ご感想を書いてくださっているのだと思っています。
だから、ひとつひとつのコメントが、短くても、厳しく胸に響きました。

そして、それぞれ、短いコメントを書くことに、覚悟をもって対峙して、
書き送ってきて下さったことを感じました。
これは、凄いことですよね。有り難いことです。
この「有り難い」は、感謝の意味と同時に、滅多に無い、という意味です。

鍵さまを含め、ブログを通じてのお付き合いの皆さんに対して、
コメントを頂く方だけじゃなく、読んでくださる全ての方に対して、
もう少し、強い心構えをもって、書くときは書く、という覚悟を
持たなくては、と思っています。
それは、真面目な事を書く、とか、良識ある事を書く、という意味では
全くなくて、ふざけた事や、愚痴や不安、危ない事や不道徳な事、
嘘を書く時もあるけれど、覚悟をもって書く、ということです。
こんなこと、わざわざ宣言することじゃない、とも思いますが、
今回は、つくづくと、考えました。

こんな愚かな驢馬、でありますが、
今後とも、よろしくお付き合いください。
Commented by jyon-non at 2020-07-24 21:35
残念でした。とても痛わしい感じがして、何を書いても真相にはいきつかないと思い、文字にはできませんでした。

そっと静かにお送りして、またいつかどこかで、生まれ変わり、健やかな日々を送られるかもしれません。きっと。

心から哀悼の意を。・・・
Commented by unburro at 2020-07-24 22:50
> jyon-nonさま

そうですね。
そっと静かに…
祈るしかないのですね。

祈ります。
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by unburro | 2020-07-21 13:06 | Comments(18)