人気ブログランキング | 話題のタグを見る

遠花火



 


 遠花火今年今宵の刹那かな            驢ノ660






 駄句である。






一期一会と言ってしまえば、それまでだけれど、
今年もこの花火を見られた幸せを思う。





遠花火_b0290638_11382389.jpg




遠花火、といっても昨夜見たのはテレビの花火。
遠い事には、間違いないだろう。


毎年、大曲の花火大会の実況中継を楽しみにしているのである。
枝豆と麦酒、季節の魚の刺身などつまみながら、夫と、
おおっ、ほほう、へええ、あっすごい、などと言いながら見ている。

大雨の後の開催は、例年になく大変だったと聞きながら、
ほんまに良かった、と強く思うのは、今年の大曲の花火には、
我が家も少々の縁があったからだ。

それは、遠くスペインに暮らす次男、竹彦からの近況報告である。

竹彦の住む、スペイン、バスク地方のサンセバスティアンでは、
八月半ばにスペイン各地の花火師が集まる花火の競技大会があり
一週間にわたり、夜毎、花火が打ち上がるらしい。
大曲のように、一夜で終わるのではなく、一晩に30分くらいずつ毎晩というから
さすがにリゾート地だな、と思う。
そこに、NHK秋田放送局が取材に来て、竹彦は知り合いの現地コーディネイター
から依頼を受け、通訳と撮影補助のアルバイトをした、というのだ。




遠花火_b0290638_11392586.jpg



「秋田、花火、といえば大曲?」と聞くと、
「そうそう、大曲の花火大会に出場する花火師と、今回、サンセバスティアンの
花火大会に出場するスペイン・バレンシアの花火師との間に交流があり、
その背景を番組にする、らしいよ。
花火の打ち上げ準備の取材とか、カメラマンの手伝いとか、面白かった。」
などと言っている。

ドキュメンタリー番組と言うよりは、ニュースの中の特集コーナーのようなもの
らしく、通訳と言っても、編集された番組では、字幕や吹き替えになるので、
声も顔も出るわけではないけれど、なんとなくワクワクするのは親馬鹿である。

放送予定は、30日の朝7時台の「おはよう日本」の中の数分間、らしい。
秋田とスペインの、花火の物語、楽しみなのである。




遠花火_b0290638_11383666.jpg
遠花火_b0290638_11384942.jpg
遠花火_b0290638_11421208.jpg
(花火の名前[KAMURO]は、禿だろうか、禿菊の花火かな…)



秋田から来た記者とカメラマンは、よく飲みよく食べる楽しい二人組であった
らしく、竹彦は、仕事以外の食事時間や、取材後の打ち上げで、本領発揮し、
大変喜んでもらえた、とのこと。

「秋田に来たら、美味しい日本酒や魚をご馳走するよ」と言われて
すっかり帰国後の予定に入れているらしい。




遠花火_b0290638_11391275.jpg

今回の写真は全て、サンセバスティアン。

遠い遠い花火、である。
















Commented by pallet-sorairo at 2017-08-27 13:23
遠花火、ほんとに遠いところの花火のことなんですね!
先日のスペインのテロで竹彦さんのこと心配だったので
よかったよかったと思いながら読みました。
竹彦さん、いろいろな経験できるのは
もちろんその人となりがそうさせるんだと思いますが
羨ましいです。
ご両親だけでなく、外野のワタクシまで嬉しいです(^^ゞ
Commented at 2017-08-27 13:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by こんの at 2017-08-27 13:52 x
昨夜の大曲花火大会 うん よかったです
驢人さん 旦那さんとの観覧一入楽しかったでしょう
エッセイからそれが伝わってきて、こちらまで楽しくなりました
ありがとうございます
Commented by unburro at 2017-08-27 14:13
> pallet-sorairoさま

遠花火、ちょっと遠すぎますね…^ ^

バルセロナのテロには驚きました。
これからのテロは、場所と目的の関連が分かりにくく、
より無差別的になるような気がしますね。
竹彦にも、友人知人から心配する声が届いているようですが、
用心はするけれど心配しても仕方ないなあ、という所ですね。

今回の通訳の仕事は、ピンチヒッターのようなものらしく、
「ホームランは無理だったけど、ヒットは打てた、かなぁ」
とか、言っていました。
ご声援ありがとうございます(^。^)
Commented by unburro at 2017-08-27 14:14
> 鍵コメさま

ありゃりゃ!
ありがとうございます。
Commented by unburro at 2017-08-27 14:16
> こんのさん!

年に一度、この大曲の花火を見る時だけ、
大きな画面のテレビが欲しいなぁ〜
と、思います。
Commented by saheizi-inokori at 2017-08-27 22:32
大曲の花火の最上席を取ってくれて一緒に行くのはかなわず(私もその4日ほど前にあったきり)の友人がそれを待っていたかのように逝ったのが花火の日でした。
まだテレビといえども見る勇気がありません。
Commented by unburro at 2017-08-28 11:50
> saheizi-inokori様

悲しい事つらい事と、楽しい賑やかな事が重なると
それは、いつまでも表裏一体の思い出として残りますね。
私も、紫陽花を見ると母を、桜を見ると叔父を思い出します。

ちょっと見当違いかもしれませんが、
落語「饅頭怖い」って、そういう気持ちが前提になって
いるのかな、とか思います。

みんなが好きなものを、怖いと思う人が居る。
そういう事って、あるなあ。
と、この噺を聞く人が共感出来るから、成り立つ噺ですよね。

と、書きながら、同じような事を、同じ文脈でどこかに書いたような気がしてきました。なんか、混乱してきましたが、
まあ、このまま、ポチッと送信します…すいません…
Commented by mother-of-pearl at 2017-08-28 12:08
〉今回の写真は全て、 サンセバスティアン。

そんな素敵な花火の物語を分けてくださって、ありがとうございます!
竹彦さん、良い経験を重ねていらっしゃいますね。

際立って美しいもの、心を揺さぶる景色に遭遇すると、
何故か隣りにいるはずの無い遠い人が恋しくなります。
佳きものを分け合いたい人と常に一緒にいられる訳ではない現実を思い知る瞬間でもあります。

サンセバスティアン、という美しい響きを持つ異国の街を、身近に感じさせて頂き、幸せです。
この街の名前を拝見する度に叫んでみたくなるのです。
『セバスティア〜ン!!』と。

(暑さで脳が煮え、妄想が爆走しております!悪しからず、、、)
Commented by unburro at 2017-08-28 14:38
> mother-of-pearlさま

サンセバスティアン、これはスペイン語ですが、バスク語では、
ドノスティア、といいます。
これも、良い響きです♪

前回の「ボンサンク」に続いて、今回も言葉の響きに反応して頂き、
さすがに音楽をする方は違うなぁ〜と、感じ入っています♪^_^

異国の言葉は、意味が分かるもの、分からないもの、どちらも
響き、耳触りが良いものが良いですね。
やはりそれぞれに相性があるような気がします。
Commented by hanamomo08 at 2017-08-29 21:03
コメント送れるかな?
竹ちゃん!すごい!お手柄でした!
帰国したら、 unburroさんも一緒に秋田に来てね。
花火ってなぜか物悲しいですね。
夏の終わりが近づいていますね。
明日楽しみに拝見します。
Commented by unburro at 2017-08-29 23:40
> hanamomoさま

ありがとうございます。
ミサイルとか、飛んで来なければ、
放送されると思います…
(今朝は「ひよっこ」が飛ばされて、夫が怒っていました)

大きな打ち上げ花火も、小さな手持ち花火も、
どちらも、なぜか物悲しいですね。
その「はかなさ」は、大きさに関係ないような気がして、
不思議だなぁ、と思います。
Commented at 2017-08-30 13:20 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by unburro at 2017-08-30 14:16
>鍵コメmさま

無事に放送されましたね(^。^)

私も、スペインの竹彦にタブレットで撮った画像を送りながら、
チャットをしながら、見ました。
「ここ、僕の翻訳のまま使われてる」
「このカメラの背後に、僕がマイク持って立ってる」
など、彼も楽しそうでした。

花火も本当に進化していますね〜
ビールが合うのは、今も昔も、洋の東西を問わず、
ですね!
Commented by yomogi at 2017-08-30 16:01 x
水面に映る花火の美しさに、ため息が出ました。打ちあがる花火の美しさは言うに及ばずですが、華やかに輝いて注目を集める部分以外にも美しさはあるものなのだなあと、変なところに感じ入っています(^^;
そして、「花火」と「刹那」。これほど呼応している言葉もないかもしれません。だから人は、興奮の後の切なさに思いを致すのですね、きっと。
Commented by unburro at 2017-08-30 22:40
> yomogiさま

花火って、大変な準備があって、でも、一瞬で終わってしまって、
壮大な贅沢ですよね。
だから、たくさんの人に見てもらう事が大切なのではないか、と思います。
凄いお金持ちが、凄い花火をあげて、それを1人で見る、とすれば
こんなに悲しい事はないなぁ、とか、思います。

「刹那」って、元々、仏教の言葉らしいのですが、
ちょっと、官能的な匂いもするんですよね〜ふふふ…
Commented by wawa38 at 2017-09-02 22:08
>「刹那」って、元々、仏教の言葉らしいのですが、
ちょっと、官能的な匂いもするんですよね〜ふふふ…

時々、unburroさんの文章の中からかすかな匂いを感じます(^^

真夏に戻るという日本のご先祖さまのこと、調べてくださって有難うございます。理屈ではなく、こういうものだからこうなのだと仏さまたちに言われているような気がします( ◠‿◠ )

Commented by unburro at 2017-09-02 23:33
>wawaさま

こんばんは!
お加減は如何ですか。
九月の空、海風に癒されつつ、徐々に回復されている、
そんなご様子ですね。

真夏に帰ってくるご先祖さまの事。
結局、よく分からないままでした。
確かに、そういうもの、なのかしれませんね。

官能の匂い…
最近、何を見ても「色っぽいなぁ」とか思います。
燃え尽きる前の蝋燭の揺らぎ、のような何か…
なのでしょうか(笑)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by unburro | 2017-08-27 12:05 | Comments(18)