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秋は来ぬ


 

 忘れたる歌に涙や秋は来ぬ
       
驢ノ583




 駄句である。





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このリハビリ病棟では、週に一度、音楽療法というのが行われる。
普段、食堂として使っている場所の椅子やテーブルを片寄せて、
電子オルガンなど運び込み、音楽療法士と共に、歌を歌ったり、
手拍子でリズムをとったりするリハビリである。

看護師さんや作業療法士の判断で、声をかけられたお年寄りが、
最初はぎこちなく、しかし、徐々に大きな声を出して歌っている。

リハビリルームは、食堂の隣であるので、
足を上げたり、膝を伸ばしたり、ゴムのロープを引っ張ったりしている
私たちにも、歌声は聞こえてくる。

知っている歌もあり、昔の歌のようだが、よく知らない歌もある。

聞いたことがある、とても懐かしい。
でも、歌詞も曲名も思い出せない。

そんな歌に、耳をすますと、ふ、と視界がぼやける。
涙、か、と思う。













Commented by mother-of-pearl at 2016-09-11 22:54
“音楽療法”を学び損ねた学生時代でした。
当時は日本中で東京芸大でしか学べず、数少ない翻訳本を持つだけでした。

ひとつだけ覚えていることは、悲しい時は悲しみの底まで落ちる曲を聴き、
思いきり涙を流した後、徐々に上向きになれる音楽を聴く。

言葉があろうと無かろうと、音楽は心の襞にしみ込んできますね♪

色々なことを頑張り続けてきた7週間に張り詰めていた糸を、優しい歌で緩めてあげてください。
Commented by pallet-sorairo at 2016-09-11 23:19
視界がぼやける歌。
何だろう。
とても気になる。
Commented by こんの at 2016-09-12 07:42 x
句・音楽、それもいいのです
が、それと同じ、より以上に
フォトが(いいなぁ)と幾度も見て、見飽きない
Commented by saheizi-inokori at 2016-09-12 10:59
それぞれバラバラに歌う施設の老人たち,上手な合唱よりジンときます。
Commented by unburro at 2016-09-12 11:29
> mother-of-pearlさま

心の襞に、音楽は浸みますね。
音楽っていうのは、液体のようでもあり気体のようでもあり、
不思議なものですね。
楽器の演奏というものは、木や金属から不思議を生み出す
まさに錬金術のようなものだと感じます。

mother-of-pearlさんのように弦楽器を演奏される方の弓などは、
まさに魔法使いの杖の如くです!

Commented by unburro at 2016-09-12 11:36
> pallet-sorairoさま

音楽療法が終わって、後片付けされているところを
ちらっと覗くと、小さな黒板にプログラムが書かれており
「赤とんぼ」「ふるさと」とか、「りんご追分」などとある中に
「蘇州夜曲」というのがあり、ああ、これだったかも、と思いました。

思い出がある、というわけでもないのですが、いい曲ですよね。
Commented by unburro at 2016-09-12 11:40
> こんのさん!

次男が送ってきた写真の一枚です。
ポルトガル寄りのスペイン北部、ガリシアの海。
北大西洋の夕暮れ、のようです。

スマホのカメラ、あなどれませんね…
Commented by unburro at 2016-09-12 11:43
> saheizi-inokori様

子どもの合唱を聞くと、すぐ泣けてしまうのですが、
お年寄りの歌声というのも、心に響きます。
それぞれの歌い方で、揃っていないのが、また、良いのです。
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by unburro | 2016-09-11 21:28 | 膝手術、とか | Comments(8)