夏終わる色なき雨が蒼々と 驢ノ571
駄句である。
同室の老女たちの内、ぽっちゃりポン子さんの退院が決まった。
今週末には、目出度く退院の予定である。
私より先に、この部屋に居られたポン子さんコン子さんのお二人であるが、
実は、ポン子さんの方が、この病院への転院は遅かったらしい。
先を越された形のほっそりコン子さんは、ここ数日落ち込みが激しい。
元気なボーイフレンドを始め、子や孫のお見舞いも多いポン子さんを
日頃から羨ましがるコン子さんであったが、とどめを刺された様子で、
看護師さんや、リハビリの理学療法士や作業療法士に、
いつ帰れるやろか、もう帰りたい。
と、連日訴えている。本当に気の毒なことである。
しかし、素人目にもポン子さんの足取りは、安定しており、
コン子さんのそれは、危なっかしい。
動くたびにヨイショ、ヨイショ、と声が出て、
そのあとは、必ず、「ああーしんど」とため息がもれる。
体勢を維持する筋肉が少なくて弱いのだと思う。
リハビリルームのお年寄りたちを観察していても、
どちらかというと、ぽっちゃり型の回復が早いような気がする。
鍛えるべき肉があるかどうか、は結構大事な事のようだ。
関節に負担をかけるほど、太っている場合は論外である。
もちろん、元々筋肉がある方はもっと回復が早いはずだが、
そういう人は、ほとんど見かけない。
だいたい筋肉のある人は、骨折したり関節を痛めたりしないのだろう。
そして、なんということか、いちばん遅くこの部屋にやってきた
お琴さんの退院もそろそろ決まりそうだ。
夫唱婦随、いや、婦唱夫随のリハビリと、
毎日、旦那さんが運ぶ「好きなおかず」が功を奏したのだろう。
リハビリの進捗と同時進行で、家屋の改造や、手すりやベッドの手配に
取り掛かり、2週間後くらいには、どちらも準備できるだろう、という
めどが立ったらしい。
ますます落ち込むコン子さんである。
その上、今日お見舞いに来た夫らしき人は、10分も話さず帰り、
廊下でばったり会ったらしい看護師さんに、
「まだまだ暑いし、ふらふらする人に帰って来れられても危ないんで、
せいぜいゆっくり、ここに置いておいてやって下さい。」
と、大声で話す声がここまで聞こえてくる。
なんとも可哀想なコン子さんである。
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saheizi-inokori at 2016-08-29 21:18
今日はこちらも晴れたかと思うと小ぬか雨、曇り空が広がるとざ~っと夕立ちのような雨、さっと晴れみたいな繰り返しでした。
日中より今の方が暑くなって来て台風10号の先触れかな。
日中より今の方が暑くなって来て台風10号の先触れかな。
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unburro at 2016-08-29 21:40
> saheizi-inokori様
白い雲が流れる青空も良いのですが、
雨の窓も良いものです。とても落ち着きます。
しかし、これも安全な窓の内側に居ればこそ。
台風の被害は、恐ろしくいです。
収穫時期の田畑や、浸水した家屋を見ると、辛いです。
白い雲が流れる青空も良いのですが、
雨の窓も良いものです。とても落ち着きます。
しかし、これも安全な窓の内側に居ればこそ。
台風の被害は、恐ろしくいです。
収穫時期の田畑や、浸水した家屋を見ると、辛いです。
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こんの
at 2016-08-30 07:28
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unburro at 2016-08-30 08:29
>こんのさん!
どうして、収穫時期に台風が来るのでしょう‼︎
台風が予測できない天災である限り、
仕方ないことなのでしょうか…
旱魃も冷害も、そして台風も…地震も、
人間は、文字通り人知を尽くして
昔から被害を最小にするべく努力してきたのですね。
あとは、祈るのみ…
せめて、人災は、ゼロにしたいです。
どうして、収穫時期に台風が来るのでしょう‼︎
台風が予測できない天災である限り、
仕方ないことなのでしょうか…
旱魃も冷害も、そして台風も…地震も、
人間は、文字通り人知を尽くして
昔から被害を最小にするべく努力してきたのですね。
あとは、祈るのみ…
せめて、人災は、ゼロにしたいです。
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at 2016-08-30 12:55
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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unburro at 2016-08-30 16:29
>鍵コメmさま
ああ、そちらに反応ですね(笑)
まあ、ダンナさんも悪気は無くて、安全第一を思っているのだと思います。
「妻の出来ない事は、私がカバーするし、無理させない様にするから、本人の希望通り、そろそろ退院をさせてやって下さい。」
と言えれば良いのですが…そうは言えない、出来ないのかもしれませんね。
コン子さん自身も、
「訪問リハビリは嫌だ。家事サービスも頼みたくない。」
要するに、他人を家に入れたくない、と言っているのでなかなか難しいところです。
さあ、どうなるか…
私自身の老後を考える、生きた授業を受けているようです。
ああ、そちらに反応ですね(笑)
まあ、ダンナさんも悪気は無くて、安全第一を思っているのだと思います。
「妻の出来ない事は、私がカバーするし、無理させない様にするから、本人の希望通り、そろそろ退院をさせてやって下さい。」
と言えれば良いのですが…そうは言えない、出来ないのかもしれませんね。
コン子さん自身も、
「訪問リハビリは嫌だ。家事サービスも頼みたくない。」
要するに、他人を家に入れたくない、と言っているのでなかなか難しいところです。
さあ、どうなるか…
私自身の老後を考える、生きた授業を受けているようです。
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mother-of-pearl at 2016-08-30 21:51
色々な条件や状況が分かった上で、それでもちょっぴり胸が痛む出来事でしたね。
私の入院時は様々な患者の混成チーム(?)でしたから、
退院時期は比べ様が無かったのですが、その日はそ~っと出たのを思い出します。
帰りたいですよね~~~ヤッパリ。
私の入院時は様々な患者の混成チーム(?)でしたから、
退院時期は比べ様が無かったのですが、その日はそ~っと出たのを思い出します。
帰りたいですよね~~~ヤッパリ。
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unburro at 2016-08-30 22:14
> mother-of-pearlさま
人が2人以上集まれば、もうそこに人間関係が生まれるのだな、
とつくづく思います。
君子の交わりは水の如く…
などと云うけれど、一期一会という言葉もあり、また、
2人以上でなくても、1人でいても心の中に誰かを思うだけで、
それも、人間関係なのだ、とか、ぐるぐる考えています。
人が2人以上集まれば、もうそこに人間関係が生まれるのだな、
とつくづく思います。
君子の交わりは水の如く…
などと云うけれど、一期一会という言葉もあり、また、
2人以上でなくても、1人でいても心の中に誰かを思うだけで、
それも、人間関係なのだ、とか、ぐるぐる考えています。
by unburro
| 2016-08-29 19:39
| 膝手術、とか
|
Comments(8)