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萬事酒盃中




昼酒や冬木の雀数えつつ          驢ノ467



駄句である。     






奈良で杜氏をする方に頂いた名刺の裏に、
「萬事酒盃中」の一行があった。

百年書法裏 萬事酒盃中

という詩があるらしい。

yahoo知恵袋によると、

百年(長い年月)も書法(文字・文章)の中にあり、
万事(すべてのことがら)も酒のさかずきの中にある。

という意味のようである。
出典は分からないが、気持ちの良い言葉である。

歴史は書物の中にあり、出来事は酒盃の中にある、と
勝手に解釈しておく。

染付の盃の中の、搾りたての「ひやおろし」に、
聴くと、ちいさな声で応えてくれる。

ここに在る。

と。


萬事酒盃中_b0290638_23102649.jpg




茶碗の中の大根葉。

これも染付。
骨董というほど古くはないが、新しいものでもない。
茶の道に入れ込み、家業を傾かせた伯父の法事の席で手に入れた。

茶も点てるが、おかずも入れる。

大根の葉も、抹茶も、どちらも同じ気配がある。
鳥でいうなら、雀である。
それは、
侘び、と言ってもいいかもしれない。

などと云うと、冥土の伯父が苦笑いしているようで、
愉快である。














                        



Commented by こんの at 2016-02-01 07:51 x
 句(467)も佳いのですが
>茶も点てるが、おかずも入れる

あぁ そういうふうに自在に使われる
さすがだなぁ
Commented by saheizi-inokori at 2016-02-01 10:38
「猫の皿」「井戸の茶碗」「はてなの茶碗」噺のなかに出てくる茶碗たちも人びとのさまざまなありようをみせてくれますね。
Commented by unburro at 2016-02-01 10:53
> こんのさん!

自在というと、かっこいいですが、
適当、テキトーとも言います。
台所で、仕舞い忘れて置いてあるものを使っちゃう、場合もあります(笑)
Commented by unburro at 2016-02-01 11:00
> saheizi-inokori様

庶民と骨董とのギャップが面白いのですね。
金持ちや趣味人が、汚い茶碗を有難がる事を笑いとばす痛快。
そこに、人情が入ると、また味が出る。

重いものを軽く(見えるように)持つ、また、その逆も出来る、
というのが茶道の達人らしいですが、
落語の面白さも、そんなところにあるような気がします。
Commented by mother-of-pearl at 2016-02-01 12:53
>歴史は書物の中にあり、出来事は酒盃の中にある、
なるほど・・・。日本酒は稀に母と酌み交わす濁り酒以外は頂きませんので、
余り風情のない暮らしです。
コリン、と氷が音をたてるような透明のグラスではこうはいきませんね。

誰かが値段をつけた価値に左右されず、自在に器を楽しむunburroさんの暮らしを
私も見習いたいと思います。

雀・・一羽の雀ちゃんを今も温かく思い出します。立派な親雀になったでしょうね!
Commented by unburro at 2016-02-01 13:49
> mother-of-pearlさま

氷の上に、キリッとライムを絞ったロックグラスの中にも、
香りたつ真紅の葡萄酒の風船玉グラスの中にも、
萬事はあるのだと思います。

子雀も親鳥になり、寒風から家族を守っているのだろうか。
などと、ついつい、立ち止まってしまうのです。
Commented by hanamomo08 at 2016-02-02 23:33
こんばんは。
「萬事酒盃中」いい言葉ですね。
私も今夜は焼きたてのお肴で日本酒をいただきました。
まろやかな大吟醸はまるで白ワインのような風味がありました。

秋田に『酒盃』という居酒屋があります。
秋田で魯山人の展覧会があったとき、学芸員の変わりに解説してくださったのが、酒盃のご主人でした。
お店で使う器も自分で焼いているようで、お料理もすばらしいそう(夫は何度も行っている)私も一度勉強にその味をと思っていますが今のところ無理。
お近くなら unburro さんともそこで待ち合わせたいものです。
Commented by unburro at 2016-02-03 07:40
>hanamomoさま

秋田の居酒屋!いいですねえ‼︎
地酒、地魚、比内鶏…
器も自作、ですかあ、いいなあ。

じゃあ、来週の土曜日、7時に予約を…
なんて、行きたいです‼︎
Commented by wawa38 at 2016-02-05 00:05
ネットでこんな詩を見つけました。

辽海遗珠在,黄华秀未空。
百年书法里,万事酒杯中。
耿耿此心在,悠悠吾道穷。
好贤明达事,独喜与君同

麻革という人が王明伯という人に贈った詩のようです。
元の時代です。どんな場面で贈ったのか、そこまではわかりません。また、意味もおぼろにしか理解できません(*_*;
そして、簡体字ですみません。
辽は遼、里は裏がもともとの文字です。
书法は書法です。
Commented by unburro at 2016-02-05 00:34
>wawaさま

さすが‼
中国語で検索ですね‼

『耿耿此心在,悠悠吾道穷。』
ていうのが、わからないなりに…なんかイイ感じですね。

素晴らしい、です。
wawaさん、ありがとうございます。
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by unburro | 2016-02-01 00:35 | Comments(10)