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寒桜





寒桜雪待つ人の便りかな 
           驢ノ457



駄句である。      





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今年の冬は暖かく、各地で雪を待つ人も多いと聞く。
雪国に雪が無く、海の魚の流れにも異変が起きているらしい。
異常なのだ。
しかし、
異常だ異常だ、と言いながら、いつか異常が日常になり、
普通とか当たり前になってしまうのだろうか。

地球温暖化とかは、人の招いた異常事象なのだから、
人の努力で何とか対処できるのだ、と考える人が多い様だが、
何だかそういう問題ではないような気がする。

気がする、と言うからには、科学的な根拠があるわけではない。
全く、個人の印象としての話だ。

昔、大きな独楽のような物を、
小さな力をたくさん合わせて力の限り、回してしまったのだ。
その後も、より強く、より早くと回し続けてきた。
しかし、今、思った以上に加速して困っている。
それを、回しながら、止まらないように、倒れないようにしながら、
速度を緩めようとしている。
これは、どう考えても難しいことだ。

安定の為には、高速で強く回り続けなければ倒れてしまう、という考えと、
低速でも、安定する方法があるはずだ、という考え、
独楽を回す事が、そもそも間違いなのではないか、という考えとか、
様々な方向に、強弱不揃いな力が加わり、徐々に平衡を失っている独楽がある。

温暖化が砂漠化や海面上昇を呼び、
貧困と格差を生み、紛争や戦争が始まる。
より良い生活の為に回し始めた独楽は、破壊の力を持ってしまった。

地球温暖化とか、CO2削減とか聞くたびに、
私はそんな大きな独楽を思う。

それだけのことだ。




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昨年と同様に、北国から啓翁桜が届いている。
暮れから正月にかけて、次々と蕾がひらき、今八分咲きの見頃を迎えている。

昨年は、蕾がふくらむまで、しばらく日数がかかったが、
今年は、届いた時すでに少し咲きかけの蕾もあるほどだった。
雪国である彼の地にも、積もるほどの雪がないという。
その上に当地でも、この年末年始の暖かさである。

玄関の三和土の大壺に活けられた寒桜。
清らかな薄紅の花が、ささやくように、まばたくように、咲き続け、
暮れから年始にかけての来客の目を楽しませている。

1日に何度も出入りする家族の楽しみにでもある。

「よう咲いたな」
「うん、咲いた、咲いた」
「きれいやなあ」
「ほんまに、きれいやな」

そんな会話が交わされる。
その言葉は、家族の日常に咲く小さな花のように聞こえる。

これでいいのだ、とも思う。
これ良いのか、とも思う。

桜を見せよう、と届けてくださる気持ちの暖かさが有難い。
手元で咲く桜の美しさが、有難い。

この暖かさ、美しさの、遥か彼方の高い上空、または、暗々と深い地底に、
得体のしれない不安のような物が在る、そういうことだ。
その不安も全て受けとめて、飲み込んでこその、有難さだなあ、とか

なにやら訳が分からないことを考えながら、
新年の夜は、桜と共に更けてゆくのだ。










  

Commented by saheizi-inokori at 2016-01-06 10:45
昔かかわっていた料理屋、時ならぬ桜が大壺に投げ込まれていて、びっくりする私に山形生まれの桜だと教えてくれました。
スタッフも客も嬉しそうだったなあ。
Commented by unburro at 2016-01-06 15:49
> saheizi-inokori様

花が咲く、特に桜が咲く、というのは、
まったくもって嬉しいものですね。
この見事な啓翁桜という冬に咲く桜を名産にした雪国の人の
思いの深さ、強さを感じます。
しかし、この山形にも今年は雪が無いというのです。
どうなっているのでしょうね〜
Commented at 2016-01-06 17:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by unburro at 2016-01-07 08:45
鍵コメさま

大丈夫です。
咲いてます‼︎
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by unburro | 2016-01-06 10:20 | Comments(4)