胡麻和えと別れ話の夜長かな
鳥兜毒と云う字に母がいる
11月
一碗の湯気に神在り神無月
よき日かな曇天もあり秋の空
鮮やかにつばらつばらと秋暮れる
月の舟つばらつばらと昇りゆく
主なき柿の庭にも小雨降る
立冬や逝きし人から便りあり
ねえあのね長い話の夜寒かな
上げ足をとって淋しき夜寒かな
眠られぬ本の重さの夜寒かな
生硬な乙女の腰よラ・フランス
愛でられて熟れる洋梨腰甘し
熟柿食む刀自の笑みかな小春かな
闇深し冬が出番を待っている
儘ならぬ儘に日暮れて鱈の鍋
黒猫と小菊の絡む竹籬
ゆらゆらとおでんの香る夜のこと
飛龍頭のぎんなん嬉し独り酒
ゆるゆると日向の猫と豆を煮る
鯨食う鯨を思い鯨食う
12月
ムナシイを辞書に尋ねし霜月の夜
冬来る昨日のカレーのやさしさよ
木枯しが昔話の戸を叩く
干し柿が山の夢をみている
面倒が面倒を呼ぶ師走かな
赤々と林檎の色のこころばえ
白菜に這う青虫の五分の魂
囚われの人を眼下に冬鴉
校庭の柿冷え冷えと残りけり
初雪と牡蠣と帆立と北寄貝
手袋の指もどかしく街灯り
裸木に雪が添い寝のあたたかさ
街の灯が南瓜色して冬至かな
一皿の南瓜買いたる老女かな
南瓜切る刃は鈍い方がよし
冬至の日爪先立ちて南瓜切る
闇深し柚子を忘れて冬至かな
はじまりの夜の深さよ冬至祭
言うことを聞かぬ子を連れ冬至の湯
とほほとか途方に暮れる年の暮れ
とぼとぼと杜甫が徒歩ゆく途方かな
とほほとかやれやれ越えて年の暮れ
注連縄の露店慌てる氷雨かな
薄紅の桜の姫と年を越す
1月
路地奥の水たまりにも初日射す
大頭支えきれずに雪だるま
島唄が曇天の夜に星見せる
泡盛の 泡は はかない人の夢いくら盛っても 海に消え
海と空 汗と涙に光を混ぜて ニライカナイが出来上がる
死ななきゃ楽に生きられぬ そんな楽土にゆきたいか
ひたすらに海は大きく人は小さく
300句に達した時に、まとめなかったのは、
ipadで過去のページを編集するのが面倒だったからだ。
タッチパネルでコピペするのが下手なのだ。
だから、今日はwindowsの入ったノートパソコンで書いている。
文章や画像、データをコピーする時、
そのデータが手元のマウスに移ったような気がするのは、
私だけだろうか。
範囲を指定して、「コピー」とか「切り取り」とクリックすると、
データを 「チュルッ」 と、マウスが吸い込む。
次に、移したい場所にカーソルを合わせて、ポチッとクリックしたら、
「ペロッ」っと出して、貼り付ける。
そんなイメージなのだ。
だから、タッチパネルを指で操作する場合は、
タッチした指が、データを吸い込んだ気がして、
思わず、その人差し指を持ち上げてしまう。
指先が下を向いていると、こぼれてしまうような気がするのだ。
そして、
「ペースト(貼り付け)」 のときまで、そっと持ち上げておいて、
場所が決まったら、ヨシッと、タッチする。
その間、ページを動かしたり、他の作業をするときは、別の指を使う。
コピーの時に使った人差し指でなく、中指でパネル操作してしまうのだ。
笑ってしまうのだが、無意識にそうなってしまう。
その指も、手荒れでカサカサしているからなのか、ただ不器用なのか、
タッチしても、ディスプレイが反応しない時も多い。
焦る。
だって、コピーしたデータが出口を求めて、
指先でチリチリしているような気がするのだ。
というわけで、ちょっと遅くなったが、251句から302句を並べた。
宮古島の句が300句を跨いだので、302を区切りとした。
次の50句は、どうなることか予想もつかない。
数か月後の自分がどんな状況なのか、予想がつかない、ということだ。
例えば、10月の私は、年明けに宮古島に居るなどと、
思いもしなかった。
その前の9月に、緊急入院するなど、7月の私は予想できなかった。
これほど、劇的でなくとも、
楽しくやっているか、落ち込んでいるか、怒っているか、
まったく、分からないのだから、仕方ない。
どんな自分に出会えるのか、楽しみである。
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at 2015-01-27 05:27
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2015-01-27 11:02
こうして改めて拝見していると私ももう一度過去を生きているような気がします。
コピペの感覚、同感です。
おっことさないように息をひそめたりもします。
コピペの感覚、同感です。
おっことさないように息をひそめたりもします。
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pallet-sorairo at 2015-01-27 21:45
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unburro at 2015-01-27 23:57
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unburro at 2015-01-28 00:06
saheizi様
50句の間、たった3ヶ月間なのに、長い旅をしたような気がします。
加齢と共に時間を短く感じる、というのは、
心身の動きが衰え、モタモタしているからあっという間に時間が過ぎる。
ということか、と思っていたのですが、どうも違う気がします。
密度が濃い、凝縮される感覚です。
コピペ!お仲間がいて嬉しい‼︎
50句の間、たった3ヶ月間なのに、長い旅をしたような気がします。
加齢と共に時間を短く感じる、というのは、
心身の動きが衰え、モタモタしているからあっという間に時間が過ぎる。
ということか、と思っていたのですが、どうも違う気がします。
密度が濃い、凝縮される感覚です。
コピペ!お仲間がいて嬉しい‼︎
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unburro at 2015-01-28 00:28
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at 2015-01-29 09:27
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by unburro
| 2015-01-27 00:40
| 駄句反省会
|
Comments(7)