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驢ノ251ー302




10月

胡麻和えと別れ話の夜長かな           

鳥兜毒と云う字に母がいる                 


11月

一碗の湯気に神在り神無月                 

よき日かな曇天もあり秋の空                

鮮やかにつばらつばらと秋暮れる            

月の舟つばらつばらと昇りゆく              

主なき柿の庭にも小雨降る                  

立冬や逝きし人から便りあり                

ねえあのね長い話の夜寒かな                 

上げ足をとって淋しき夜寒かな                

眠られぬ本の重さの夜寒かな               

生硬な乙女の腰よラ・フランス                 

愛でられて熟れる洋梨腰甘し      

熟柿食む刀自の笑みかな小春かな       

闇深し冬が出番を待っている              

儘ならぬ儘に日暮れて鱈の鍋          

黒猫と小菊の絡む竹籬         

ゆらゆらとおでんの香る夜のこと       

飛龍頭のぎんなん嬉し独り酒        

ゆるゆると日向の猫と豆を煮る       

鯨食う鯨を思い鯨食う           


12月

ムナシイを辞書に尋ねし霜月の夜       

冬来る昨日のカレーのやさしさよ       

木枯しが昔話の戸を叩く       

干し柿が山の夢をみている           

面倒が面倒を呼ぶ師走かな        

赤々と林檎の色のこころばえ      

白菜に這う青虫の五分の魂       

囚われの人を眼下に冬鴉         

校庭の柿冷え冷えと残りけり      

初雪と牡蠣と帆立と北寄貝       

手袋の指もどかしく街灯り       

裸木に雪が添い寝のあたたかさ      

街の灯が南瓜色して冬至かな          

一皿の南瓜買いたる老女かな          

南瓜切る刃は鈍い方がよし           

冬至の日爪先立ちて南瓜切る          

闇深し柚子を忘れて冬至かな           

はじまりの夜の深さよ冬至祭          

言うことを聞かぬ子を連れ冬至の湯       

とほほとか途方に暮れる年の暮れ       

とぼとぼと杜甫が徒歩ゆく途方かな         

とほほとかやれやれ越えて年の暮れ        

注連縄の露店慌てる氷雨かな       

薄紅の桜の姫と年を越す        



1月

路地奥の水たまりにも初日射す    

大頭支えきれずに雪だるま        

島唄が曇天の夜に星見せる            

泡盛の 泡は はかない人の夢いくら盛っても 海に消え            

海と空 汗と涙に光を混ぜて ニライカナイが出来上がる    

死ななきゃ楽に生きられぬ  そんな楽土にゆきたいか       

ひたすらに海は大きく人は小さく       




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300句に達した時に、まとめなかったのは、
ipadで過去のページを編集するのが面倒だったからだ。
タッチパネルでコピペするのが下手なのだ。

だから、今日はwindowsの入ったノートパソコンで書いている。

文章や画像、データをコピーする時、
そのデータが手元のマウスに移ったような気がするのは、
私だけだろうか。

範囲を指定して、「コピー」とか「切り取り」とクリックすると、
データを 「チュルッ」 と、マウスが吸い込む。
次に、移したい場所にカーソルを合わせて、ポチッとクリックしたら、
「ペロッ」っと出して、貼り付ける。

そんなイメージなのだ。

だから、タッチパネルを指で操作する場合は、
タッチした指が、データを吸い込んだ気がして、
思わず、その人差し指を持ち上げてしまう。
指先が下を向いていると、こぼれてしまうような気がするのだ。

そして、
「ペースト(貼り付け)」 のときまで、そっと持ち上げておいて、
場所が決まったら、ヨシッと、タッチする。
その間、ページを動かしたり、他の作業をするときは、別の指を使う。
コピーの時に使った人差し指でなく、中指でパネル操作してしまうのだ。

笑ってしまうのだが、無意識にそうなってしまう。

その指も、手荒れでカサカサしているからなのか、ただ不器用なのか、
タッチしても、ディスプレイが反応しない時も多い。

焦る。

だって、コピーしたデータが出口を求めて、
指先でチリチリしているような気がするのだ。




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というわけで、ちょっと遅くなったが、251句から302句を並べた。
宮古島の句が300句を跨いだので、302を区切りとした。

次の50句は、どうなることか予想もつかない。

数か月後の自分がどんな状況なのか、予想がつかない、ということだ。
例えば、10月の私は、年明けに宮古島に居るなどと、
思いもしなかった。
その前の9月に、緊急入院するなど、7月の私は予想できなかった。

これほど、劇的でなくとも、
楽しくやっているか、落ち込んでいるか、怒っているか、
まったく、分からないのだから、仕方ない。

どんな自分に出会えるのか、楽しみである。
























Commented at 2015-01-27 05:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2015-01-27 11:02
こうして改めて拝見していると私ももう一度過去を生きているような気がします。
コピペの感覚、同感です。
おっことさないように息をひそめたりもします。
Commented by pallet-sorairo at 2015-01-27 21:45
同じく私もコピペの感覚、同感です。

>ゆるゆると日向の猫と豆を煮る
これが好きかな。
ゆるゆると、
どこまでもゆるゆるとしていたい今日この頃です(^^ゞ
Commented by unburro at 2015-01-27 23:57
鍵コメ様

いやいや、いやはや、ともかく、
昨日、青菜漬の炒め煮を作りました。
空前絶後の美味しさでした‼︎

また、書きます(笑)
Commented by unburro at 2015-01-28 00:06
saheizi様

50句の間、たった3ヶ月間なのに、長い旅をしたような気がします。

加齢と共に時間を短く感じる、というのは、
心身の動きが衰え、モタモタしているからあっという間に時間が過ぎる。
ということか、と思っていたのですが、どうも違う気がします。
密度が濃い、凝縮される感覚です。

コピペ!お仲間がいて嬉しい‼︎






Commented by unburro at 2015-01-28 00:28
pallet様

おお〜っ、コピペの感覚、お仲間が増えましたね!
嬉しい。
というか、こんな風に思っている人は多いのかな?と
改めて、ウフフと思いました。

ゆるゆる、行きたいですね…
Commented at 2015-01-29 09:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by unburro | 2015-01-27 00:40 | 駄句反省会 | Comments(7)