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栗届く

栗届く 母と似た筆跡の送り状    驢

駄句である。



竹笊に盛られた栗を見て
刀自が
「懐かしい」「珍しい」、と言葉数が多い。

百年近く前の北国の物語は、民話のようだ。

柴栗を拾いに入った山や、囲炉裏の上に吊るされた勝栗の話。

栗を毬から出して集めるのが大変だった。
硬い勝栗も、長いこと口の中で噛んでいれば柔らかくなって
甘くて、美味しかった。
などと語った後で、

「もう、栗拾いは出来ないなあ。」

「歯が駄目だから、勝栗は食べられないなあ」

と呟く刀自に向かって、

「はあ、そうですねえ。」

としか、言えない芸の無さだけれど
芸があれば、何というのか。

連れて行く気もないのに、すぐ忘れるだろうという前提で

「また今度、行きましょうね。」

などと言うべきだろうか。

それは、無いな。


「今晩は、栗御飯がいいですね。」

と、誰にともなく言うのが精一杯である。



栗届く_b0290638_1453062.jpg







小さい秋、見~つけた!
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by unburro | 2013-10-03 15:00 | Comments(0)