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鼓などぽんと打ちたい神無月         
驢ノ437




駄句である。




例えば、もし、これから楽器を習うとすれば、
小鼓など、習ってみたい。
どうやったら音が出るのかすら、分からないが、
鼓を打つ姿が、いい、と思うのだ。

能や狂言だけでなく、踊りの会などでも、鼓の音がすると、
ついそちらばかり見てしまう。
特に、能などで謡の言葉が全く分からなくなって眠気に襲われる、
そんな時に、鼓のほうを見ると、すこし目が覚める。

今、思い出したが、小さいころからその傾向はあったのだ。
海苔やお茶の缶を肩に担いで、ポンポン底を打っていた。
あれは、何を見て真似していたのだろう。

よくわからない。



鼓_b0290638_23354108.jpg



鼓の音は、カン、だと思う。

ぽぽぽん、ぽぽんぽん、という時もあるけれど、
ああ、鼓を打ってみたい、と思う時の音は、カン、である。

タン、と聞こえる時もあるけれど、もっと硬質な音がする。
あの構造で、どうして、あの音が出るのか、
触ったこともないので、皆目わからない。

カン、とカタカナで書くと、空き缶を叩いているようで、
安っぽくて落ち着かない。
もちろん、かん、とひらがなではない。

検索してみると、やっぱり、甲と書いて「カン」というらしい。
音の種類で硬い音のことらしい、柔らかい音は乙というのだそうだ。
ポン、ではないのだな。

私のイメージでは、侃、がちょっと良い。
侃侃諤諤(カンカンガクガク)の侃である。
侃とは、
強く正しいようす。剛直なようす、をいうらしい。
鼓の音に、相応しいではないか。

侃侃、侃々、侃、しかし、なかなか、カンとは読みにくい。

というわけで、結局のところ、
「ぽん」になってしまった。




















Commented by こんの at 2015-11-04 05:43 x
> 甲と書いて「カン」というらしい

甲板
うう、昔 船員に憧れたことがある(笑)
Commented by unburro at 2015-11-04 09:12
こんのさん!

漢字は、つくづく面白いですね。
一人一人に、字から生まれるイメージがあります。
船員、船乗り、冒険、港に女…っふふ、と
膨らむ、想像、妄想^^;
Commented by saheizi-inokori at 2015-11-04 09:26
鼓の響きは拡散より収束というか、集中させて切り裂く、切り裂いて集中させる、、いいものです。
Commented by pallet-sorairo at 2015-11-04 10:02
>漢字は、つくづく面白い
滅多に見ない「侃」という字。
見れば見るほど海で泳いでいるイカに見えてくる(^^ゞ
Commented by mother-of-pearl at 2015-11-04 10:44
和楽器は本当に魅力的ですね。
洋楽器に慣れた耳には音律すら別世界で衝撃的です♪
皮の弛みを調節し音色を変えていく鼓の演奏法。憧れますね!

凛と背筋を伸ばしたカッコイイ驢人さんが見えます!!


侃侃侃侃・・なんだか子供の頃に描いていた火星人に見えてきました~。
Commented by unburro at 2015-11-04 23:26
> saheizi-inokoriさま

saheiziさんの「砧」、からの延長線上の一句です。

鼓の音は、集中、切り裂く、なるほどそうですね。
鼓を打つ人の姿、佇まい、に魅かれます。
Commented by unburro at 2015-11-04 23:32
> pallet-sorairoさま

私の好きな彫刻家に、この侃という名前の方がいて、
なんとなく親しみがあるのです。

イカに見える、と言われれば、イカにしか見えない…
火星人説!も飛び出し↑、もう、足にしか見えなくなっています(笑)
Commented by unburro at 2015-11-05 01:24
> mother-of-pearlさま

和楽器は、工芸品としての美しさにも魅かれます。
でも、鼓は組み立てるだけでも、難しそうです。

本当に、鼓を打つ人の姿は美しいですね。
憧れます!
Commented by hanamomo08 at 2015-11-06 10:46
この前ゆでた蛸もこんな感じでした、でも皆さんがおっしゃるようにイカのほうがあっているかな?
鼓って鳴らすのが難しいそうですね。
年に一度七夕の日、明治時代の銀行だったレンガ造りの建物の中で聴かせてもらう雅楽の調べは心地よいものです。
お雛様の五人囃子の小さな鼓はなかなか持たせるのが難しいのですが、あの姿いいですね。

諤この文字も興味深いですね。
小さな四角い目に見つめられているような!
Commented by unburro at 2015-11-06 17:12
>hanamomoさま

ああ、五人囃子の鼓!
三人官女の銚子などと同様に、幼い私が壊したか、
失くした小物のうちの一つです…

諤諤、確かに目がありますね!

侃と諤、で漫才コンビが出来そうですね。
そういえば、三河萬歳とかも、鼓を打っていますね。
あれは、

ポン!

ですねえ。
Commented by hanamomo08 at 2015-11-08 16:56
もう、後継者がいなくてどうなるかわからない状態ですが、私が子どものころはお正月に『秋田萬歳』というのが門付けに来たのです。おぼろげな記憶ですが・・・・。
太夫さんと才蔵の二人組みで、才蔵は鼓を持っていました。
ただ私の記憶にはあまりにもネイティブな秋田弁でわからなかったという印象が強いのです。
鼓から話がそれてごめんね。
Commented by unburro at 2015-11-08 17:48
>hanamomoさま

いやいや、全然それていません。
そうです、門付けです‼︎
私の鼓体験?の根っこは、そこかもしれません。

獅子舞だったか、萬歳のような何かだったか、
詳しい記憶はないのですが、
何というか、色褪せた着物を来た人が、鼓をポンポン打っているのを見ていた幼い私、という風景が突然、脳裏に浮かびました。
少しのお金を渡して、頭を撫でてもらったような気もします。

もう、失われてしまった風景なのでしょうね…
思い出すことが出来て、うれしいです。
hanamomoさん!ありがとうございます。
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by unburro | 2015-11-04 00:08 | Comments(12)