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水墨



水墨の山河に遊ぶ土用照り
                驢ノ201



駄句である。 




切り立った岩山の所々に、捻くれた松のような木が生えている。
山は、上へ上へと険しく立ちはだかるのだが、
よく見ると、崖と崖の間に、細い道があり、
石段のようなものが続いている。

目を凝らすと、その道を行く人が居る。
笠を被り、重そうな荷を背負って歩いてゆく男だ。
道の先をたどると、馬に荷を載せて引く一団の姿も見える。

見れば見る程に、目が慣れて、人の姿は増えて行く。

崖の下に、東屋のような小屋もあり、茶を飲んでひと休みする人々。
滝の傍で、汗をぬぐう二人連れ。
どうやって辿り着くのか分からないような谷底に庵を結んで、
碁を打っている老人もいる。
あれは、仙人という類の人なのかもしれない。
雲より高い所にも、寺の様なものが小さく見える。


そんな水墨画を見るのが好きだ。

来客の帰った座敷の、床の間の前に寝転んで、
自分自身が、小さくなってその山道を辿る気分で見入っていると、
少しは涼しい気分になる。

床の間に掛けられた、掛け軸の中の深山幽谷は、
仙人の住む夢の世界だと思っていたが、
いつか、テレビの映像で、中国、黄山の風景などを見て、
ああ、本当にこんな場所があるのだ。
と、驚いた。
旅に行った方のブログなど拝見すると魅かれる。

行ってみたい、でも、夢のままにしておきたいような、
行くあても無いのに、悩んでみるも一つの遊びだ。







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旅の途中。
長距離列車の中のカフェテリア。
ちょいと遅い朝食なのだが、やはりビールを頼んでしまう。

スペインでは、地方ごとにビール会社があり、それぞれに個性的なビールがある。
日本で云うと、沖縄のオリオンビールのような感じである。
土地の人々は、自分たちのビールに誇りを持ち、
旅人に、これが一番美味いのさ、と勧めてくれる。
もちろん、美味い。

Commented by saheizi-inokori at 2014-07-30 17:41
旅先の昼酒、いいですね。
山水の人物になった心地するかも。
Commented by unburro at 2014-07-31 00:16
saheizi様

そうなんですよね。
旅に出ると、朝酒、昼酒、のんびり異次元に遊ぶ心地です。

あの水墨山水の老人達も、一日中、お茶を飲んだり
酒を呑んだり昼寝したり、
碁を打ったり、詩を詠んだり、しているだけ・・・
みたいで羨ましいです。
Commented by アゲハ at 2014-07-31 12:02 x
みちのくまで飛びました(笑)
無断拝借でした。ご寛恕を
Commented by unburro at 2014-07-31 18:11
アゲハ様

羽根あるものは、空を越え、
心あるものは、時と場を越えて飛んでゆくのですね。
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by unburro | 2014-07-30 16:32 | Comments(4)