白梅の香に覚まされる昼の酒 驢ノ125
駄句である。
次男が住む城下町に行ってきた。
太平洋側のこの町は、春が早いようだ。
あちらこちらで、梅が咲いている。
ほとんどが白梅である。
実が生るのは、白梅だったか。
美味しい梅酒が飲みたいなあ、とめずらしいことを思う。
甘い酒は苦手なのだが、年に一度か二度くらいは、
梅酒や、甘口のベルモットなどを飲みたくなる。
原因はわからない。
しかし、店に入ると麦酒を注文してしまう。
昼間に飲む麦酒は、良い。
風が止むと、春の気配がする。
窓越しの陽射しに背中が暖まり、少し腕まくりをしながら
麦酒を飲む。
竹彦は、仕事のことで悩みがあるようだ。
近況報告の端々に、迷いが見える。
大学を出て一年、苦労しているのだと察せられる。
しかし、親が心配する程には悲観してはいない様子だ。
流れを見ている。
と、云う。
一人の思いだけでは、物事は変わらない、動かない。
人間関係にも、仕事にも、流れのようなものがあるようだ。
その流れが、自分を押す時にそれに乗っていこう、と思う。
と、云う。
驚いた。
そんな事を考える様になったのか、と驚いた。
流れに逆らったり、乗り過ぎたり、の自分の若い頃を思い出し、
苦笑いである。
流れが自分を押すのを待つ、などという考えは、
思いもよらなかった。
世の中の流れ、という一般的な流れではなく、
自分を押し出す、自分の波が、いつか来るのだ、と息子は云うのだ。
面白いな、まったく。
と、麦酒をワインに替えて、飲み続けたのだった。
俳句・短歌 ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
by unburro
| 2014-02-24 23:44
| 竹彦
|
Comments(2)